
早いもので21世紀最初の万国博覧会「愛・地球博」の会期も終盤を迎えました。
10月25日の閉会式を前にして、そろそろ関係者の去就や各種施設の行く末、最終入場者数の予測、中身や運営の評価などがあちらこちらから聞こえてくるようになりました。心なしか祭りのあとの寂しさが、まだ気配だけの秋風と共に会場に忍び寄ってきているようです。
もとより万博とは国を挙げた一過性のお祭りです。そう割り切った上でも、終わった後に瓦礫と溜息しか残らないのでは余りに淋しすぎます。
目に見える形でのお祭りは、さまざまな議論や課題を積み残してでも開宴を迎えるものです。お祭りの間中、積み残しであったその荷が、人々を惹きつけた極彩色の張りぼての撤去とともに往々にしてポツンと置き去りにされるのも、私たちはよく知っています。その荷を解いてみる勇気と責任は、他でもないお祭りを楽しんだ私たち自身にあるのではないでしょうか。
愛・地球博からの継承。
果たして何をどこの誰に伝え残すのか、本稿では「EXPOエコマネーセンター」の紹介を通じて考えてみたいと思います。
「愛・地球博」長久手会場の一画にある「EXPOエコマネーセンター」。
ここには今、一日の来場者のおよそ5%にあたる人々が訪れています。学校の教室程度の狭いスペースへの来場者は、およそ50万人を数えました。3月25日の万博開会時にはこれほどの盛り上がりを誰もが予想し得なかった「EXPOエコマネーセンター」とは、どんな施設なのかを、まずお話しましょう。
ここで言う「エコマネー」とは、言わば「環境に配慮した行動の対価」と考えれば分かりやすいと思います。
「払うもの」というより「もらうもの」と考えて下さい。
ではどのようにもらうのかと言えば、愛・地球博会場内外で同センターの仕組みに協賛する企業や団体が認めた「環境にやさしい行動」をして証明をもらい、それをセンターに持ち込めばエコマネーというポイントが付くというわけです。
エコマネーはどんどん貯めることができます。貯めれば貯めるほど、環境に優しい行動をしたことになります。
貯めたエコマネーは例えばエコバックなどの製品と交換することもできますし、センターに寄託することもできます。寄託されたエコポイントはある程度まとまると植樹という目に見える形の環境貢献となるのです。
センターの壁には大きな木の絵が描かれています。寄託による植樹が進むと木の葉のシールが張られていく仕組みですが、今ではほとんど緑で一杯となっています。
「環境に優しい行動をして世界の緑の輪が広がっていく。」こんなイメージが人々の足をエコマネーセンターへと向かわせるのかも知れません。
どうですか皆さん、このエコマネーセンターの仕組みを愛・地球博の会期中に限定せず、どこかに誰かが残すというアイデア、素敵だとは思いませんか?
そんなことを私がそこかしこでつぶやいていたら、愛・地球博のお膝元である名古屋市の松原武久市長が、いち早く市内に同センターを誘致することを発表してくれました。思わず拍手喝采です。同様の仕組みが全国各地、いや世界中に広がっていけば・・・。私は、こうした環境に優しい活動の連鎖を生む仕組みが、実社会で着実に定着していくことを願わずにはいられません。
そうそう、2010年上海万博。この会場予定地は緑が少ない地域です。私たちの集めたエコポイントで植林できれば、「自然の叡智」を謳い上げた愛・地球博のメッセージが深く静かに継承されていくと感じるのは、私だけではないはずです。
実は、その上海万博の会場に私と山田厚志さんとで行ってきます。次回の本稿では最新の上海万博の準備状況を中心に、中国視察の成果をご報告する予定です。
どうぞお楽しみに!
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EXPOエコマネーセンターの谷口庄一事務局長です。実は飯尾も山田さんも谷口さんとは旧知の仲です。
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左手奥が「愛・地球博」長久手会場の一角にあるEXPOエコマネーセンターのパビリオンです。 |